食品・飲料業界に予想される2022年の5つのトレンド

ソース: Yahoo JP / 画像: Getty Images /著者: Forbes Japan

新型コロナウイルスパンデミックの影響は、あらゆる業界に及んでいる。食品・飲料業界には今年、どのような傾向がみられただろうか。そして2022年には、どのような変化が起きると考えられるだろうか。予想されるのは、以下の5つのトレンドだ。

1. テクノロジーの急激な進化が続く

自動運転車、ドローン配送、スマート冷蔵庫、レジなし店舗、ブロックチェーンなど、新たなテクノロジーはさらに進化し、あらゆる産業に取り入れられていくだろう。 食品・飲料業界もすでに、テクノロジー産業の一部になっているといえる。テクノロジーは、食品ブランドと小売業者を同時に変化させている。

2. 植物肉と培養肉の成長も継続

環境問題への懸念と、世界の食料不足を解消する必要性から、植物肉と培養肉は今後、さらに重要なものとなる。IBMが実施した調査では、消費者の80%が「持続可能性を重要な問題」と捉えており、60%近くは、環境への影響を減らすために自身の「買い物の習慣を変えるつもりがある」と答えている。 コナグラ・ブランズやクローガー、インポッシブル・フーズ、ビヨンド・ミートなど、すでに多くが進出し、競争が激しい代替肉市場だが、培養肉の今後の成功のためは、消費者へのさらなる情報提供が不可欠だ。

3. 冷凍食品の人気がさらに上昇

過去には低品質、健康に悪い、といった言葉が代名詞とも思われてきた冷凍食品だが、最近ではレストランでも使用されるようになり、またレストランが冷凍用のメニューを提供するようにもなっている。さらに、フィール・グッド・フーズなど、グルテンフリーの冷凍食品を専門に扱う企業も登場している。 米国冷凍食品協会が2021年初めに行った調査では、消費者の72%が「冷凍食品も生鮮食品もどちらも頻繁に購入する」と回答。また、統計・調査データを提供するスタティスタによれば、米国の冷凍ピザの売上高は、2020年には54億7000万ドル(約6200億円)に増加している。 こうした中、代替肉のビヨンド・ミートやひよこ豆パスタのバンザ、ダイエット食品のニュートリ・システム、ネスレなども冷凍食品の販売を強化している。

4. レストランのトレンドは引き続き「デリバリー

デリバリーやテイクアウトを利用する顧客のみをターゲットとしたゴーストキッチンについては、さまざまな意見がある。注意が必要なのは労働コストと食材のコストだが、店舗運営の面でいえば、効率的といえるだろう。 すでに競争が激しいデリバリーとテイクアウトはいずれも、今後も成長が続くとみられる。ファストフードチェーンでも、KFCはコンビニのように商品を手に取ってすぐに店を出られる「グラブ・アンド・ゴー」サービスを導入、マクドナルドはデリバリーサービスのウーバーイーツ、ドアダッシュと提携するなどしている。 また、人気が高まるアウトドアダイニングは今後も増加し、定着することになると予想される。

5. 高まる「直販」への期待

農家を含め、あらゆる生産者が、この形での販売を開始している。ある調査では、「最近、生鮮食品をオンラインで購入したか」という問いに「はい」と答えた消費者は73%にのぼっている。 消費財メーカーは流通システムを改善すれば、直販によって輸送費を抑えることができる。また、割引販売や小売店の棚代の支払いにかかる費用も削減できる。これらによって、消費者はより安価で商品を購入できるようにもなるだろう。つまり、ウィンウィンの状況を実現できる。 問題に直面するのは、恐らく流通業者だ。販売先をレストランなどの食品サービス分野にシフトさせなければならないだろう。小売の売上高にも、影響が出ることになる。ただ、実店舗を運営する小売業者もオンライン販売を強化しており、カーブサイド・ピックアップやデリバリーなどで、成長を続けている。