超加工食品の過剰な摂取は、認知機能の低下リスクに関係…最新の研究で明らかに

ソース: business insider / 画像: Shutterstock/ 著者: Andrea Michelson (翻訳:仲田文子、編集:井上俊彦)

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  • ブラジルで1万人以上の成人を対象に、超加工食品の摂取量と認知機能との関連性についての調査が行われた。

  • その結果、1日のカロリーの20%以上を超加工食品から摂取している人は、認知機能が低下するリスクが高いことが明らかになった。

  • 超加工食品は、アメリカ人が消費する総カロリーの半分以上を占めている。

我々が食べる食品の多くはある程度加工されているが、冷凍食品、ファーストフード、朝食用シリアルなどの「超加工食品」にはさまざまな添加物が含まれており、心臓病、がん、早死になどの健康リスクと関連があるとされている。

2022年12月5日付けでJAMA Neurologyに掲載された研究論文で、超加工食品を日常的に食べていると、脳の健康に影響を与える可能性があることが示唆された。

この研究は、ブラジルで1万人以上の中年成人を対象に行われたもので、1日のカロリーの20%以上を超加工食品から摂取している人は、10年の間に認知機能が低下するリスクが高まることが明らかになった。

論文の共著者であるクラウディア・スエモト(Claudia Suemoto)が CNNに語ったところによると、ブラジルにおける超加工食品の平均的な摂取量は、25%から30%だという。アメリカではこの傾向がより顕著に表れており、摂取カロリーの約57%が超加工食品によるものだと、ニューヨーク大学の研究者が2021年に発表している。

ブラジルでの研究によると、1日のカロリーの20%以上を超加工食品から摂取している人は、20%以下しか摂取していない人よりも、全般的な認知機能の低下速度が28%も速かったという。論文では、脳の実行機能を司る部分が特に大きな打撃を受けているようだと指摘されている。

先行研究によると、ホールフーズを多く摂取することは、認知機能が低下するリスクの減少と関連性があることが明らかにされている。

健康的な食習慣で、中年期から対策を

ブラジルの研究では、参加者を8年に渡って追跡調査したところ、認知能力低下の兆候が見られた。研究開始時の参加者の平均年齢は51歳であり、中年期からの予防の重要性が明らかになった。

調査参加者は認知能力テストを受け、単語想起の速さ、単語認識、言語流暢性がスコア化された。

その結果、1日のカロリーの20%以上を超加工食品から摂取している人の多くは、認知能力テストのスコアが年々低下していた。

一方、先行研究では「マインド食」が認知機能の低下を遅らせることが明らかにされている。マインド食とは、地中海式食事法とDASH食を組み合わせた食事法で、野菜、ベリー類、ナッツ類、オリーブオイル、全粒穀物、魚、鶏肉などを積極的にとることを勧めている。

ブラジルでの研究においても、このような健康的な食習慣を持つ人は、超加工食品の摂取量と認知能力の低下との関連性が見られなかった。