再生プラ包装率、ロレアルとユニリーバは4年で20ポイント増
英エレン・マッカーサー財団と国連がプラ廃棄削減に向けた取り組みの進捗報告を公開した
ロレアルやユニリーバの再生プラ利用率は4年で20ポイント超の伸びを示した
「世界的な取り組みに進展は見られるが、解決への道のりは遠い」とまとめた
英エレン・マッカーサー財団と国連環境計画(UNEP)はこのほど、廃棄されるプラ包装の撲滅に向けて、1000超の組織が署名する「グローバル・コミットメント」の2023年版の進捗報告書を公開した。報告企業のロレアル、ユニリーバは4年前から、再生プラの比率を20ポイント超伸ばした。「プラ汚染に対する世界的な取り組みに進展は見られるが、解決への道のりは遠い」と報告書はまとめた。(オルタナ編集部・北村佳代子)
エレン・マッカーサー財団は、英国を拠点にサーキュラーエコノミー(循環経済)を推進するNPOだ。同財団とUNEPは、プラスチック包装の廃棄ゼロを目指す「新プラスチック経済グロ―バル・コミットメント」を2018年に立ち上げた。
発足以来、ネスレ、ロレアル、コカ・コーラ、ペプシコ、マース、ウォルマートといったグローバルの大手企業や政府など、1000を超える組織が署名する。
世界のプラスチック包装業界の約2割を占める250社以上の企業が署名し、廃棄物削減の取り組みにおいては他の業界を凌ぐ規模といわれる。
5大陸55政府機関も署名する。2023年10月時点、日本の政府・自治体は署名しておらず、企業でも報告しているところはない。
報告している国のプラ削減の取り組み成果は、報告していない国々を上回る成果を上げていると報告書は記した。
■ロレアルとユニリーバは、再生プラ比率が4年前から20ポイント増
包装材における再生プラスチックの利用比率(重量ベース)については、2022年度の実績は11.7%と、取り組み開始時の2018年の4.7%から順調に拡大した。しかし、2025年までに26%(重量ベース)の目標達成まで、道のりは遠い。
しかし個別企業で見ると、2025年度までに50%の目標を掲げるロレアルは、2022年度に26.5%と、4年前の4.7%から21.8ポイント上昇した。ユニリーバも、25%の目標に対し、2022年度は20.8%と、2019年度の0.7%から20.1ポイント増加した。
■リユース・リサイクル・堆肥化可能なプラ包装材ではコカ・コーラが突出
■バージンプラの削減とリユース比率は4年前と横ばい
■使い捨てプラ包装の削減に向け、根本的な変更の試みが増加
■「進展はみられるが、2025目標達成は難しい」