小麦粉に漂白剤?うどんに含まれていることのある加工デンプンとは?知っておきたい「そうめん・うどん・そば」の安全性について

ソース: 婦人公論 / 画像: Photo AC /著者: 渡辺雄二

渡辺さん「そばは腐りにくく、味つけもしていないため、保存料も調味料も使われていません」(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

いつも食べている食品には「添加物がたくさん含まれている」ということを意識したことはあるでしょうか。現在、使用が認められている「食品添加物」の数は800品目を超えています。そんななか「食べてはいけない添加物」「食べてもいい添加物」の違いを解説しているのは、食品ジャーナリストとして活躍する渡辺雄二さん。今回はその渡辺さんが「そうめん・うどん(乾めん)」「そば(乾めん)」「冷凍うどん」の安全性について解説します。

原材料は小麦粉と食塩なので安心!「そうめん・うどん(乾めん)」

「夏は、やっぱりそうめん!」という人も多いでしょう。

うどんは季節に関係なく食べられていますね。

これらの原材料は、基本的には小麦粉と食塩です

そうめんによっては、乾燥を防ぐために食用植物油を使った製品もありますが、添加物は使われていません。

ただし、うどんの中には加工デンプンを添加した製品もあります。

昔は小麦粉に漂白剤が使われていて、問題になったことがありましたが、いまは使われていません。

ただし小麦アレルギーの人は、注意しなくてはならないでしょう。

また、「農薬は残っていないの?」と心配する人もいるかもしれません。

アメリカなどから輸入される小麦には、輸送中における虫食いなどを防ぐために、収穫してから農薬が使われています。

ただし原料の小麦粉は、殻を除いた小麦を粉状にしたもので、それには農薬は残っていないか、残っていてもごくごく微量と考えられます。

したがって、そうめんやうどんに農薬がふくまれることはほとんどないといえるでしょう。

そばアレルギーの人は要注意だが…。「そば(乾めん)」

そばの原材料は、基本的にはそば粉、小麦粉、食塩です。

つなぎに、山芋を使った製品もあります。

うどん・そうめんと同様に乾燥していて腐りにくく、味つけもしていないため、保存料も調味料も使われていません。

ただし、そばアレルギーの人は注意しなくてはならないでしょう。

そばは人によってはひじょうに強いアレルゲンとなるため、ショック症状をおこすことがあるからです。

以前北海道で、学校給食に出されたそばを食べた児童がアレルギー症状をおこして、死亡したケースがありました。

そばは、中国やカナダ、アメリカなどから輸入されています。

「農薬は、残っていないの?」と心配する人もいると思いますが、それは製品を検査してみないとわかりません。

ただし、仮に農薬が微量残っていたとしても、ゆで汁にある程度溶け出すと考えられます。

国内では北海道などでそばが栽培されています。こちらのほうがより安心といえます。

保存料や酸味料を使っていない「冷凍うどん」

「冷凍うどんはコシがあっておいしい」と感じている人は多いでしょう。

そうめんやうどんに農薬がふくまれることはほとんどないといえるでしょう(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

「セブンプレミアム 国産小麦さぬきうどん」(セブン&アイ・ホールディングス)の原材料は小麦粉と食塩のみで、添加物は使われていません。

コシがあって食べごたえのあるうどんです。

また、生うどんと違って酸味料などが入っていないので、本来のうどんの味がします。

加工デンプンを添加したものもある

ただし、製品によっては加工デンプンを添加したものがあります。

加工デンプンは、デンプンに化学処理を施し、酸化デンプンや酢酸デンプンなどに変えたもので、全部で11品目あります。

内閣府の食品安全委員会は、「添加物として適切に使用される場合、安全性に懸念がないと考えられる」としています。

デンプンをもとにつくっているので、「安全性は高い」と判断しているようです。

しかし、発がん性や生殖毒性に関して試験データのない品目もあるので、安全性が十分に確認されているとはいえないでしょう。

※本稿は、『新版「食べてはいけない」「食べてもいい」添加物』(大和書房)の一部を再編集したものです。