「危険な添加物」だらけだったスーパーの加工食品…最大の問題は「何が入っているか分からない食品表示」だった!

ソース: 週刊現代 / 画像: Gettyimages /著者: 週刊現代

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おいしいし、便利だからついつい買ってしまう。今のところ体調も問題ない。しかしその毒素は体内に蓄積され続けている。家族の健康を守るため、知っておきたい「食品表示」の真実を一挙公開。

食品表示のありかたの大問題

前編では、発がん性やダイオキシンの仲間であるなど、数々の危険な加工食品について紹介した。しかし、どれだけ食品表示をつぶさに見ても、完全にリスクを減らせるわけではない。

なぜなら種類が多い添加物については、すべてを表示せず「一括表示」することが許可されているからだ。これにより、メーカー側がどんな物質を実際に使っているか、消費者には分からない仕組みになっている。これこそが、食品表示の大きな問題なのだ。

たとえば、パンなどをふっくらさせるために使われるイーストフードは、「イーストフード」と一括で表記されているが、実際には18種類の物質がある。

「その中には、骨粗鬆症や心筋梗塞のリスクを上げるリン酸塩も含まれている。しかし『一括表示』の場合、それを表示する義務はありません。

これらから何種類かを選び混ぜて、小麦粉に添加しパンが作られているのです。このように色々な添加物を同時に摂取した場合の安全性については、全く検討されていません」(前出の小薮氏)

前出の垣田氏も続ける。

「ソースやカップ麺、冷凍食品などに含まれる加工でんぷんとしては、11種類の物質が指定されています。その内9種類では、EUの動物試験で腎臓に変化があったため、乳幼児向け食品には使用制限が設けられている。

米国でも製造基準や残留基準が規定されている。しかし、日本ではまったく規定がされておらず、どの物質が含まれているのか分からないのが現状なんです」

さらなる抜け穴が…

いわゆる「うまみ成分」である調味料(アミノ酸等)や酸味料などは、ほとんどの加工食品に入っているが、安全性はどうなのか。

「一括名表示が認められている調味料(アミノ酸等)、酸味料などは、何種類の成分が使用されているのか消費者には皆目分からず、安全性が担保されていない。広く利用されている浅漬けやチャーハンの素、レトルト食品などには、調味料(アミノ酸等)をはじめとする食品添加物が満載です。

現代人は便利さと引き換えに不必要な添加物を体内に取り込んでいるのです。何十年後かに現れる影響を考えると、できるだけ控えたほうがいいでしょう」(前出の沢木氏)

簡単、早い、安い、便利と喧伝されている食品には、同時に危険性もあるわけだ。そのためにも食品表示をきちんと確認することは重要だが、実はメーカー側には、こんな「抜け道」もある。

「『キャリーオーバー』と呼ばれる制度で、添加物が製造の過程で使われていても、最終的に残っていない、もしくは少量の場合は記載しなくてもいいのです。ところがその判断はメーカー自身がしている。これは非常に問題です。いざとなれば、都合の悪い成分は隠すことができますから」(前出の渡辺氏)

おばあちゃんの「毒抜き」の調理法が必要?

現在の食において、添加物を完全に避けるのは難しい――だが『家庭でできる食品添加物・農薬を落とす方法』の著者で、元東京都消費者センター試験研究室室長の増尾清氏は「調理に一手間加えることで毒物を取り除くことができる」と語る。

「たとえばソーセージなら茹でる前に切れ目を入れたものと、入れなかったものを比べた場合、切れ目を入れたほうは、ソルビン酸や亜硝酸ナトリウムが排出され、30%も減少したという結果が出ています。ちくわなどの練り物も水にさらしたり、湯にくぐらせることで添加物を落とすことができる。

私は『おばあちゃんの下ごしらえ』と呼んでいますが、ゆでこぼし、油抜きなど、昔ながらの調理方法には、『除毒効果』があることが証明されています」

下の表には注意してほしい食品と原材料、添加物を記載した。これらを参考にして、自分の目でしっかりと、どんな成分が入っているのかを確認して購入してほしい。それが自分や家族の体を守るための第一歩となる。

「週刊現代」2016年12月24日号より