食品中にプラスチックが「幅広く」存在、米消費者専門誌が指摘
ソース: Reuters / 画像: Kim Kyung-Hoon /著者: Jonathan Stempel
[ニューヨーク 4日 ロイター] - 米消費者専門誌「コンシューマー・リポート」は4日、健康上のリスクがあるにもかかわらず、食品中にプラスチックが「幅広く」存在していると主張、規制当局に対し、製造過程で食品と接触するプラスチックの安全性を再点検するよう求めた。
同誌はスーパーマーケットの食品とファーストフード85種類を検査。このうち84種類に、プラスチックに柔軟性を持たせるために添加する可塑剤「フタル酸エステル」が含まれていた。
また、食品サンプルの79%から、プラスチックに含まれる化学物質である「ビスフェノールA」などのビスフェノール類が検出された。ただ、2009年の検査との比較では数値は低かったという。
フタル酸エステルは、いずれも米国と欧州の規制当局が定めた基準値を超えていなかったが、同誌は科学者が安全性を確認したフタル酸エステルの基準はなく、食品の安全を保証できないとしている。
フタル酸エステルとビスフェノール類は、エストロゲン(卵胞ホルモン)などのホルモンの生成と調節を乱し、出生異常、がん、糖尿病、不妊症、神経発達障害、肥満などのリスクを高める可能性がある。
検査対象となったスーパーマーケットの食品で、フタル酸エステルの含有量が最大だったのは、米ゼネラル・ミルズ(GIS.N)傘下の有機食品会社アニーズの「オーガニック・チーズ・ラビオリ」で1食当たり5万3579ナノグラム。次にデルモンテのスライス・ピーチ、チキン・オブ・ザ・シー(TU.BK)のピンクサーモンが続いた。
また、チェリオス、ガーバーのベビーフード、ヨープレイトのヨーグルトの他、ウェンディーズ(WEN.O)、バーガーキング(QSR.TO)、マクドナルド(MCD.N)の一部のハンバーガー、ナゲット、フライドポテトもフタル酸エステルの含有量が高かったという。
同様の商品でもフタル酸エステルの含有量には差があり、ウェンディーズの「クリスピー・チキン・ナゲット」のフタル酸エステルは1食当たり3万3980ナノグラムで、マクドナルドの「チキン・マックナゲット」の4倍以上だった。
アニーズ、チェリオス、ヨープレイトなどのブランドを傘下に収めるゼネラル・ミルズのコメントは取れていない。バーガーキング、ウェンディーズのコメントも取れていない。
チキン・オブ・ザ・シーとデルモンテは、自社の食品にフタル酸エステルは添加しておらず、サプライヤーからも同様の保証を得ているとと述べた。デルモンテはフタル酸エステル類は「環境中に広く存在している」とも指摘した。
ガーバーとマクドナルドは規制要件に従っており、包装に含まれる化学物質について厳格な検査を義務付けていると述べた。