SDGsとは?2030年までに達成すべき目標と食品事業者・飲料メーカーの取り組み事例
ソース: Food Channel / 画像: Food Channel /著者: Food Channel
SDGsは、貧困や飢餓、地球温暖化など世界各地で起こっている課題に取り組むための目標である。こうした取り組みは国だけでなく、企業が参加することで目標達成に近づき、さらにCSR活動の一環として社内外からの評価が高まり企業価値の向上につながるなど、様々なメリットがある。
現在の食品業界の企業は、SDGsにどのように取り組んでいるのだろうか。各社が掲げる目標と取り組み内容を紹介しよう。
SDGsとは
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、2015年9月の国連サミットで採択された国際目標のこと。正式名称は「Sustainable Development Goals」で、持続可能な開発目標という意味がある。「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」など、17の大きな目標と169のターゲットで構成されており、当時の国連加盟国193ヶ国が2030年までの15年間で達成すべき目標として掲げているものだ。
そもそもSDGsは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)が元となっている。こちらは2015年までに達成すべき8つの目標を掲げ、期限までに一定の成果をあげた。しかしMDGsでは、先進国による決定が発展途上国からの反発を招いたり、地域によって進捗が異なっていたりなど、いくつかの課題が指摘されていた。
これらの事態を考慮し、今回のSDGsでは先進国や発展途上国が一丸となった「誰一人取り残さない」という取り組みを目指している。そのために、世界中で発生している問題に対しての意識が高まっている。様々な国や企業がSDGsに向けた取り組みを実施しているのが現状だ。
もちろん日本も例外ではなく、多くの企業がSDGsに関する課題に取り組む姿勢を見せている。 そのメリットは社会的な意義だけでなく、ビジネス的な観点で受けることも多い。農水省や外務省のウェブサイトで紹介されている食品企業のSDGs目標と内容について次にまとめた。
食品事業者・飲料メーカーのSDGs取り組み事例
食品企業がSDGsに取り組むメリット
企業がSDGsに取り組もうとした際、一見すると手間や人材リソースなどのコストが掛かるものも多い。必ず行わなければならないという義務もないため、どの程度実施するかは企業次第だ。しかし、SDGsに取り組むことでメリットとなるのが多いのも事実。それは数々の大手食品企業が、SDGsの活動に参加していることでも理解できるはずだ。
分かりやすいメリットとしては、食品ロスの削減やエネルギーの効率化など。これらの活動は単純に自社のコスト削減だけでなく、資源の有効活用や環境問題への取り組みとして企業のイメージアップになる。活動内容を自社サイトへ掲載することで、IRの一環にもつながるだろう。
会社全体で取り組んでいけば、社内コミュニケーションの活発化や従業員のモチベーションアップになる。従業員満足度が向上することで、優秀な人材確保や離職率の低下にも貢献するだろう。また商品開発やサービス、新規事業の開拓は、他の企業や業種と接点を持つきっかけにもなる。ノウハウや技術提供による相互作用で企業としての開発力が向上すれば、新たな価値を作り出す可能性も高められるはずだ。
消費者に広がる”エシカル消費”と購買意向
SDGsの目標に掲げられている「サステナブル(持続可能)な社会」とは、資源が枯渇することなく美しい地球の環境そのままに、人々が今後もずっと豊かな生活を送り続けられるような世界を維持すること。そうした未来を実現するには、企業のSDGs活動とともに、消費者の意識も同時に改善する必要がある。その規範といえるのが“エシカル消費”の考え方だ。
エシカル消費とは、主に社会的に模範となる行動や良識的な考えのこと。もっとざっくり説明すると、多くの人から賞賛される行いといえる。例えば「自然環境を守る行動」と「自然環境が破壊される行動」では、前者の方が正しい行いになる。人や社会、地球環境などに配慮した消費行動をすることで、世界中で発生している様々な問題の解決を図ることが目的である。
エシカル消費は、SDGsの取り組みと一体といえる。消費者の意識が高まれば、自ずと環境ラベルや認証マークの付加価値、企業のCSR活動が重要になるのは間違いない。
SDGsへの取り組みは、食品企業の新たなビジネスチャンスを生み出す
世界的な目標であるSDGsは、様々な分野で深刻化している問題への取り組みとして注目されつつある。一部の国や企業だけでなく、すべての国や企業、消費者が協力して解決を図る必要がある。まずは、自社で何ができるのか、どんな目標を設定すればいいのかなどを検討しながら、SDGsに取り組んでもらいたい。